令和5年度 学校経営方針

本校の経営方針について簡単ではありますが、説明させていただきます。

 

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 ☞ 「学びたい」のための取組はコチラ


はじめに、基本理念についてです。

「校長が変われば学校が変わる」という言葉がありますが、本当でしょうか。

私は、そうは思いません。関係者の主体性がなければ、学校は変わりません。これは、前職を通して多くの学校を見てきましたが、東日本大震災や、新型コロナウイルス感染症の感染対策に取り組む姿から、確信したことです。関係者というのは、私たち教職員はもちろん、児童や保護者の皆様や、地域の皆様も含まれます。

そこで、本校の基本理念を、「子どもの「学びたい」をはぐくみ、かなえる若松小 ~すべての関係者の主体性により実現する~」としました。

では、この「子どもの「学びたい」」について説明します。 

皆様のお子様方のこれまでの成長に目を向けると、初めて出会う草花に興味をもったり、「なぜ」「どうして」と質問して離してくれなかったりと、好奇心旺盛な日々を過ごしてこられたのではないかと思います。

しかし、学校での子どもたちの中には、やる気がなさそうに過ごす児童を見ることがあります。私たちは、このような子どもたちが、ただ単に学習への意欲がないとは考えていません。

これは、本校ではないのですが、5年生の男の子のノートです。45分間の授業の中で、書けるのはこの2行程度です。もしかすると、やる気のないお子さんとみられていたかもしれません。しかし、ノートをよく見ていくと、特徴的な傾向が分かり、病院での検査の結果、このお子さんが発達性読み書き障害であることが分かりました。この学校では、保護者の方と学校が話し合い、パソコンを使って授業を受けられるようにしました。これが、その数日後のノートです。明らかに変化が見られます。

そして、これがおよそ半年後のノートです。驚きですよね。このお子さんが、本当は「学びたい」という気持ちをもっていて、自身の特性のせいでうまく表現できていなかったことがよく分かります。決して、やる気がなかったわけではなかったのです。学校には様々なお子様がいます。授業中にボーっとしていたり、なかなか学校に来ることができなかったり。こうしたお子さんに対して、私たちは「どうしてだろう」「どうしたらいいだろう」と主体的に考え、子どもの「学びたい」をはぐくみ、かなえていきたいと考えています。

※ 保護者会当日は、令和4年1月に放送された、本校の取組を紹介する番組を放映しました。

 

続いて、令和4年度の取組が中心になりますが、本校の取組を紹介させていただきます。

本校では、「”個別最適な学び”を実現する授業づくり」をテーマに、帝京大学との共同研究により、民間企業の協力を得ながら、一人ひとりの子どもに合った、一人ひとりの多様な才能を伸ばすための研究を進めてきました。

研究を進めるにあたっては、それぞれの学級と特別支援教室”ひばり”が連携して、取組を進めてきました。

本年度も、帝京大学との共同研究を進め、子どもたちが自分に合った方法等を”選択”しながら、学習が得意な子どもも苦手な子どもも、自己の力を高められるようにしていきます。

令和4年度の研究を通して、残念だったことがあります。それは、せっかく自分に合った方法を見付けたとしても、特に4年生頃になると、周囲を気にして自分に合った方法を止めてしまう子どもの姿が散見されたことです。

このことから、私たちは、子どもたちが人と違うことを”あたりまえ”と考えることができるよう、多様性の受容のための取組を進めていく必要があると感じています。

昨年度も、本校では、子どもたちが多様性を受け入れることができるようにするための取組を進めてきました。

その代表的なものを紹介させていただくと、子どもたちが多様性を学ぶための「手話授業」を中心とした障害者理解教育や、保護者の皆様と教員が共に発達障害等について学ぶ「合同学習会」があります。

今後も、こうした取組を、充実させていきたいと考えています。

さて、学校評価において、保護者の皆さまから最も評価の高かった取組が、専門家や民間企業にご協力いただきながら進める「本物授業」です。そのいくつかを、紹介させていただきます。

昨年度の6年生は、5年生の時、新型コロナウイルス感染症の影響でセカンド・スクール(宿泊行事)に行くことができませんでした。そこで、若松小スクール・コミュニティ協議会の主催により、府中市の防災機器管理課、キャンプ用品の販売などを手掛ける民間企業のご協力をいただき、学校での宿泊体験を含む「防災キャンプ(「若松小防災2デイズ」)」を実施しました。

また、お隣の東京都立府中工科高等学校の工場見学や地域のプロサッカーチームによる体力向上の授業、プロの演奏家を招聘しての音楽の授業なども行いました。

さらに、昨年度は、50周年を記念した学習発表会「若松祭」に向け、3年生が地域の浅間山を多くの方に知ってもらいたいと発案したケーキを、市内の洋菓子店に製造・販売していただく取り組みも行いました。

子どもたちが”本物”に触れ、「学びたい」気持ちをはぐくむ取組を、今後も続けていきます。

 

続いて、令和5年度の学校経営の9つのキーワードをご覧ください。そのうち、特徴的なものを、紹介させていただきます。

先ほどお話しした「個に応じた指導の一層の推進」については、研究機関や民間企業のご協力の下、進めていきます。

今年度は、新たに、3の「持続可能な教育活動」を進めていきます。これは、これまでの2年間で進めてきた「本物授業」を中心とした取組について、子どもたちが活動への誇りをもち、若松小にとって今後も続けていくことができるよう、学年間で子ども同士の引継ぎを行うことを計画するものです。例えば、3年生の浅間山の活動については、新4年生が自分たちの行ってきた取組を次の3年生に伝える活動を通して、新4年生が自分たちの取組を再評価して誇りをもったり、3年生が見通しをもって新たな取組にチャレンジすることができることを狙っています。

5の「児童の心の状況の把握」については、本校で開発した”こころの天気予報”というタブレット端末を利用したアンケートツールを活用し、いじめの早期発見や不登校の未然防止につなげていきます。

その他、校長として、教職員の働き方改革を一層進めるとともに、必要な研修を行うことで、教育力の向上を図っていきます。

 

こうした取組みは、学校ホームページでも発信していきます。

ページ上段は学校からのお知らせを、下段では子どもたちの取組を紹介します。お時間のある時にのぞいてくださるよう、よろしくお願いします。

若松小学校では、「子どもの「学びたい」をはぐくみ、かなえる若松小 ~すべての関係者の主体性により実現する~」を基本理念に、取組を進めていきます。

保護者の皆様におかれましては、こうした取組みへのご理解とご協力をいただくとともに、主体的に運営にかかわってくださることを、お願いします。

校長からは、以上です。

 

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