校長ブログ13

校長ブログ「海を渡ったサッカーボール(全校朝会)」060311

 

「おはようございます。今日、3月11日は、13年前の東日本大震災が起こった日です。先生には、まだつい最近のように思い出します。

 

八小でも、プールの水が校庭に溢れたというお話をしました。実際に、津波で、家や建物、車など様々なものが流され、多くの命が犠牲になりました。そのことを私たちは忘れてはいけません。災害から命を守ること、助け合って生きることが、本当に大切なのです。それは、今、私たちの学校生活の中でも同じことですね。困っている人を助けるということは、人として大切な、心優しい行動なのです。

 

そしてこの、人の優しさは、世界共通です。大地震から4年度、太平洋の反対側にあるアラスカ、アンカレッジと言う街の歯医者さんが、海岸を散歩していました。そこには、海から多くのものが打ち上げられていました。歯医者さんは、その中から、汚れたサッカーボールを見つけたのです。そこには日本語で名前が書いてありました。

 

歯医者さんは、『もしかしたら、このボールは、地震で日本から流されてきたのかもしれない。』と思ったのです。そうです。そのボールは4年も流されて、太平洋を渡ったのです。そして『このボールの持ち主は、生きているだろうか。』ととても心配になり、多くの人に連絡してみたのです。何日も何日もかかって、やっとボールの持ち主の知り合いと連絡がとれました。『彼は、大丈夫ですか。』と聞くと、『家は、津波に流されましたが、彼は助かって、今、元気で生活しています。』と聞いて、とても安心したそうです。優しい歯医者さんは、手紙を添えて、はるか遠いアラスカから、少年にそのボールを送りました。

 

その手紙を最後に紹介して、今日の全校朝会を終わります。みなさん、人に優しく、今週も仲よく過ごしてください。

 

 『こんにちは。このボールが君の手に届くことを願っています。君のボールは、アラスカの南東部で発見されました。持ち主である君に、ボールを返せることを、本当にうれしく思います。私は、アラスカのアンカレジというところで歯科医をしています。また、浜辺の清掃と落とし物拾いを楽しみの一つとしています。よろしければいつでも連絡ください。あなたの友、ケビン』

 

 

 

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