校長ブログ24

校長ブログ「絶対に勝つ!って思うんだよ」060927

 

 運動会を来週に控えて、練習が熱を帯びてきました。毎日一生懸命に体を動かして、本当によく頑張っています。そして、授業中は、全ての学年が落ち着いて学習に取り組んでいて、八小の子供たちはとても立派です。来週配布します「学校便り」は、運動会特集として、全学年の見どころを紹介しています。私も、運動会を通して成長してほしいことを書かせていただきました。数年前のある兄弟の会話から話を始めています。

 

数年前のことです。運動会当日の朝に、登校する兄弟の会話が聞こえてきました。兄は、言いました。『短距離走で、足の速い子いるの?』弟は、答えます。『うん、いる。』すると兄は、こう言いました。『でも、負けてもいいやって思ったらダメだよ。そう思ったら、必ず負けるよ。いいかい、絶対に勝つ!って、思うんだよ』このお兄さんは、小さい弟にも分かりやすく、「負けてもいいやって思ってはダメ」と言い、自分の経験からか「そう思ったら、負けるよ」と教えていました。

 

実は、ドイツの哲学者フリードリッヒ・ニーチェは、『おじけづいたら、負ける』と言っています。勝負の前に、弱気になったら、必ずそうなってしまうという、心のはたらきのことです。このお兄さんは、ニーチェの言葉は知らなかったと思いますが、まさに同じことを言っていました。

 

『やればできる!』で人気のお笑い芸人ティモンディの高岸宏行さんが、あるインタビューで、「やればできるといっても、できないこともありますよね。」と聞かれ、こう答えていました。「『やればできる』の『できる』は、『成功できる』ではなくて『成長できる』の意味です。」本番に臨むとき、「やればできる」と自分を奮い立たせ、迷いを振り切り、弱気に打ち勝つことができれば、結果はどうあれ、成長の度合いがちがうということですね。

 

大きくなるにしたがって、そういう場面はたくさんあります。これは余談ですが、この原稿を書いていて、私が副校長のとき、ある試験がありまして、当日出かけるとき、校長先生に、「では頑張ってきます。」と言うと、その校長先生は、「『頑張ってきます』ではない、『勝ってきます』だ!」と真剣に言われたことを思い出しました。今思えば、この兄弟のお兄さんのような存在です。懐かしさと感謝でいっぱいです。

 

そして、運動会では、みんなが強い気持ちで本番に臨み、全力を出すことで互いに切磋琢磨して伸びることができます。友達がいるおかげで、自分の力がさらに発揮できるのです。『やればできる!』『絶対に勝つ!』という強い気持ちがそろったとき、一人一人のパワーが何倍にもなって、見ている人に伝わり感動を生むのです。全ての競技で、同じ目標に向かって高め合うことのすばらしさを実感してほしいと願っています。来週の土曜日は、ぜひ皆様の応援をよろしくお願いいたします。