令和5年12月25日 学校だより巻頭言

(学校だより巻頭言と同様)

※校長の方針として、学校だよりや朝会の話を意図的に関連させています。校長ブログをご覧の方もいらっしゃるとのことですので、こちらでも紹介させていただきます。


通知表

 本日、担任から子どもたちに通知表が手渡されました。校長として事前に一枚一枚目を通し、子どもたちの活躍の姿を思い浮かべながら、この2学期を振り返りました。2学期は、本年度から始まったわくわく自然教室(5年生)や隔年実施の展覧会だけでなく、たくさんの行事や活動がありました。
 私が着任した令和3年度は、新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点から様々な活動が縮小されていましたので、改めて、通常の教育活動を進めることができる喜びをかみしめた次第です。

 さて、「通知表」は、「保護者に対して子供の学習指導の状況を連絡し、家庭の理解や協力を求める目的で作成するもの」と、文部科学省でも説明されてきたものです。校長である私も、教員時代にはたくさんの通知表と向き合ってきましたが、限られたスペースの中で子どもたちの活躍のすべてを表現することは難しく、特に、保護者の皆様と協力して解決したい課題を記載することには苦労しました。(しかも、手書きでした。)
 なぜなら、例えば、教科書やノートなどを忘れることが多いお子さんがいたとします。お伝えしたい内容は、「教科書を忘れてしまうことが多く、授業のときにいつも隣の友達に見せてもらっているので、ご自宅でも毎日確認してください。」ということです。しかし、通知表は一生残るものですので、文字数を考慮しつつ、もう少し柔らかい表現を考えます。そうすると、結果として、「授業の準備ができるよう、声をかけています。」のような、ふわっとした表現になります。これをご覧になられた保護者の方は、「ボーっとしていて、教科書やノートを出すのが遅いのかな。」「先生に反抗して、授業の準備もしていないのか。」と心配されることもあるかもしれません。しかし、現実には、こういった表現が多くなるのも事実です。

 では、そのような「通知表」を渡されて、どうすればよいのだろうと思われるかもしれません。教師の真の意図を察しろというのかと、お怒りになる方もいるかもしれません。
本日は、そのことについて、終業式で子どもたちに話した内容とともに、保護者の皆様にお願いしたいことをお伝えします。
 それは、保護者の皆様がお子様の通知表をご覧になられた際に、「先生は、このように書いてくれているけど、どんなところを工夫したのか教えて。」や、「先生が『〇〇できるように、声をかけていきます』と書いてくれているけど、どうしてだと思う。」のように、お子様に問いかけていただきたいということです。
子どもたちには、終業式で、通知表について以下のようなことを伝えています。

 ① 通知表に書かれていることはみんなの良さです。自信をもって良さを伸ばしましょう。
 ② 次に大事なことは、自分の力を伸ばすために、何ができるか考えることです。
 ③ お願いすることは、そのことを、おうちの人に自分で説明することです。

 大切なことは、「よくできる」の丸の数ではありません。「学校から」に書かれている内容を含め、通知表をみて自分の良さや強みを感じ取り、自分がどのようなことに取り組めば自分の力を一層伸ばしているのか、子ども自身が考えることです。私は、そのような力や習慣を身に付けることが、これからの時代を生きる子どもたちには必要だと考えています。
 もちろん、ご不明な点があれば、遠慮なく担任までお尋ねください。

 2学期の保護者・地域の皆様の様々なご支援、ご協力、心より感謝申し上げます。新年も、子どもたちのためにお力添えくださるよう、引き続きよろしくお願いします。