校長ブログ41
校長ブログ071104 「いじめは絶対にダメ。みんなで守ろう」(全校朝会)
11月は、東京都の全ての学校で、いじめをなくす取り組み(ふれあい月間)をします。今朝の全校朝会は、体育館で行い、準備してきた掲示版の前で静かに語りかけました。
「私たちは、みんなで生活していますから、たくさんのかかわりがあります。たくさん言葉を使っています。その中で、例えば、ちょっとふざけたつもりで、ちょっかい出して、相手が嫌がっていることに気づかなかったとか、無意識に口から出てしまった強い言葉、例えば、リレーで負けて、「もっと速く走れよ!」と、かっとなって言ってしまって、誰かが泣いてしまったとか、あったとします。
これは、『イエローカード(黄色信号なので、注意しよう)』です。「そんなに嫌だったなんて、知らなかったんだ。こめんね。」「君も一生懸命走っていたんだよね、強く言ってごめんね。」、としっかりと反省し、これからの自分の行動をよく考えることができたら、相手の気持ちをより考えられる人へと成長できます。先生たちは、そうなることを期待して、見守っていきます。
しかし、相手が傷つくと分かっていて、わざと、人を傷つける言葉や行動をしたら、これは、いじめで、決して許されません。『レッドカード(赤信号)』です。法律で禁止されていますから、大人でも子供でも、全ての人が守ることなのです。具体的には、かげぐちや仲間外し、ものかくしや暴力、おどしなどです。
特に、誰かに命令されて、一緒にかげぐちを言えば、いじめになります。「あの子に言われたから。」というような、言い訳は通用しません。誰かに言われても、その人がこわくても、自分は絶対にいじめはしないという心の強さが必要です。そもそも、本当の友達は公平なのです。こわいってちがいますよね。また、気を付けてほしいのは、「からかい」とか、「いじり」です。何人かで、誰かをからかえば、いじめになります。「あの子なら、からかってもいい。」というのは、公平ではありません。誰かを、わざと傷つけているから、からかいではなく、いじめなのです。
この『黄信号』と『赤信号』は、大きく違います。いじめは、絶対にダメです。「からかっただけ」とか、「嫌がってなかった」とか、言い訳は許されません。もう子供同士の問題ではありません。「ごめんね。」「いいよ。」では終わりません。だから『赤信号』なのです。こうなってしまうと、校長先生、副校長先生、ここにいる全員の先生、いじめた子の親、相手の親、関係した全員の親などたくさんの大人が出て、解決のための話し合いをします。大きなことになると警察も入るかもしれません。すごく大きなことになってしまうのです。
どうしてか、分かりますか。
もう分かっている人もいるでしょう。『人の心はガラス玉』だからです。いじめた人は、軽い気持ちかもしれませんが、いじめを受けた人は、一生この傷が消えません。本当なら、明るい人生を歩ける人が、人が怖くなって、学校を辞めたり、体が病気になったりするのです。そして、もし、ガラス玉が割れてしまったら…。
(大津市立中学2年生が亡くなった新聞を見せて)「あの時、勇気を出して、止めていればよかった。」このクラスの人たちは、もう何年たっても後悔が消えません。大人でも、インターネットの書き込みで、ひどい悪口を書かれて、命を落としてしまった人がいるのです。それほど、いじめは、怖いことだということを分かってください。
では、どうしたら、いじめがなくなるのでしょうか。みんな楽しく安心して暮らしたいのですから、みんなで心をそろえて、いじめと向き合って、そうならないように気を付けていくしかありません。もし友達の『黄信号』に気付いたら、教えてあげることができるはずです。そして、五小の皆さんなら、教えてくれた友達に感謝して、自分の行動を振り返ることができるはずです。
これを見てください。一番良いかかわりが、この『青信号(みんな公平、協力、団結、信頼、仲間、本当の友情)』です。すごく良い言葉がたくさんありますね。こうなると、平和で安心できる、すばらしい学校になります。間違いありません。
最後に、大切なのは、『相談』です。いじめは命の問題で、子供の問題を超えていますから、一生後悔しないために、困ったことがあったら、どうしてよいか分からなくなったら、誰でもよいので、先生や家族、大人に打ち明けてください。大人はそのためにいます。「チクるな」、という人がいたら、それは間違っています。『相談』は、命を守る勇気ある正しい行動です。
今月の目標は、『あたたかい言葉づかいをしよう』です。みんなが、意識して、あたたかい言葉を使って、励ましあって、最高の運動会にしましょう。」
話し終わると、それまで静かに聞いていた子供たちから、拍手が聞こえました。しっかり聞いてくれて、とても嬉しかったです。保護者の皆様、いじめは、学校以外の場所でも、インターネット上でも、起こりえるものです。子供たちの人権を守り、平和を大切にする人格を形成するために、いじめを生まない、いじめを許さない学校づくりを推進していきます。ご心配がありましたら、小さなことでも気兼ねなくご相談ください。子供たちの健全育成に向けて、共に、考えてまいりましょう。





