校長ブログ47

校長ブログ080117 「道徳授業地区公開講座ありがとうございました」

 

 1月17日(土)に開催しました、学校公開・道徳授業地区公開講座に、たくさんの保護者・地域の皆様にご参加いただき、ありがとうございました。今年度最後の学校公開でした。廊下には書初めを掲示しまして、新しい時を迎えて頑張る子供たちを、ご参観いただけたと思います。3校時は、すべての学級で道徳の授業を行いました。道徳は、心の教育ですので、ご家庭でも、一緒にお話ししていただきたいと願って実施しました。

 また、4校時は、体育館で「五小の教育を語る会」を開催させていただきました。私のつたない話でしたが、たくさんの保護者・地域の皆様にお聞きいただき、とても感謝しております。また第2部では、コミュニティスクール協議会委員長の松本龍義様、PTA会長の小牧武司様、スターバックス府中西府店店長の吉野慧様にもお話をいただきました。本校が地域とともに歩んでいる歴史ある学校であることをお伝えさせていただきました。いかがでしたでしょうか。

 会場の皆様には、吉野店長様のご厚意で、おいしいコーヒーをご提供させていただくことができました。和やかな雰囲気で、皆様とともに温かい時間を過ごすことができましたことを本当にうれしく思います。これからも、教職員一同頑張りますので、ご理解とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。お話させていただきました内容をまとめました。少し長いですが、ご一読いただけましたら幸いです。

 

【ごあいさつ】

 本日は、府中第五小学校の学校公開・道徳授業地区公開講座にご参加いただきありがとうございました。今日も、冬晴れの透き通った青空が広がりました。子供たちはクスノキに見守られ、寒さに負けず “明るく元気にレッツゴー”で頑張っています。大好きな府中第五小学校の子供たちを、保護者、地域の皆様と共に育ててまいりたいと願っております。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 改めまして、校長の松下雄太です。十年以上校長をやっておりますが、まだまだ未熟です。皆様の声をしっかりと受け止めて、よりよい学校をつくってまいります。本日は、温かい雰囲気でお話を聞いてくださるといいなと思っておりましたところ、なんと、スターバックスコーヒー府中西府店の吉野店長様が、ご厚意でおいしいコーヒーを差し入れてくださいました。ありがとうございました。日本全国で本校だけだと思います。どうぞ、リラックスしてお聞きください。

 

【道徳について】

 さて、道徳の授業ですが、みなさんは、どのような思い出がありますか。私は…といっても50年も昔ですが、イソップ童話オオカミと少年や、泣いた赤鬼ばかり読んでいた記憶があります。そのあとはテレビを活用するようになりました。人形劇やがんこちゃんなど…、うなずいている方が多いですね。そして今は、みんなで話し合い、みんなで考える道徳を目指しています。正解のない、すぐに答えが出ない問いを、みんなで考えながら、自分の納得のいく答えを見つけていきます。友達の考えを聞いて、自分の考えが変わったり、深まったりして、これからの生き方に生かすことが、道徳では大事だと考えています。心に種をまく…それが道徳の授業です。

 例えば、『うそ』について考えた授業がありました。T「うそをついたことありますか?」「うそはダメ」「でもいいうそもあるよ」「えっどんな」「サプライズとか、人を傷つけないうそ」「あーなるほど」「でも、人をだます、うそはやっぱりいけない」子供たちは一生懸命考えます。T「うそをついてしまうときはどんな時」「そのとき、どんな気持ち?」と話し合うのです。「心がざわざわする」「これからは、こうしよう…」と、自分で考え、自分で気づくことが大切です。うそはダメと押しつける道徳ではありません。

 心に種をまくのですから、いつかその場面に出会ったときに、どう考えて行動できるかです。ご家庭や地域の皆様と、共に育てる意義はここにあります。日常生活の中で、子供がよくないうそをついてしまったときが大事な道徳です。時間をかけて今どんな気持ちなのかを子供から引き出して、心に響く諭し方で、これからの自分の生き方に生かす終わり方になるようにしたいものです。ご家庭や地域で、お子さんと考える場面がございましたら、学校にもお知らせいただき、共に成長を見守っていきたいと思っています。

 4年生の『お母さんの請求書』は、有名なお話です。子供がお手伝いをして、その金額をお母さんに請求します…。お母さんは、黙っています。今度はお母さんが、子供に請求書を渡します。そこには…。まさに、お金ではない、愛情をもらっているんだ、大切な家族なんだという種を心にまきました。日常の生活こそ、心を育てる大切な道徳です。

 この話の最後になりますが、道徳の学習は、心の中に涵養していくもので、即効性があるものではありません。ゲームでは、失敗したらリセットしますが、人生はリセットの利かないことが多いです。ある脳科学者は、ゲームばかりやっていて活性化する脳と、よく考えて正しく思考判断する脳は、全く違うそうです。

 道徳では、このよく考えて正しく思考判断する力を育てています。そしてそのような脳が育つのは、鉛筆を持ってノートを真っ黒にする基本的な「読み書き計算」や、音楽や図工や家庭科という、手先を使って想像力を働かせる専科の教科が大事だそうです。特に、細かい手作業をしながら、家族で会話をすることがとてもよいそうで、おすすめなのが、「餃子づくり」でした。お子さんと一緒に楽しくお話ししながら、ご家族でいかがでしょうか。毎日、お忙しいとは思いますが、小学校の今こそ、ご家族と一緒の時間が、お子さんの一生の思い出になりますので、どうぞ大切になさっていただきたいと願っております。

 

【全校朝会での講話】

 次に、これまで、子供たちに大切に語ってきた言葉をお伝えし、みなさんと一緒に子供たちの健全育成について考えていきたいと思います。世界中に、言葉という意味の単語はありますが、「葉」がついているのは日本語だけです。つまり、葉っぱのもっているエネルギーが、皆さんの心の中に落ちたときに、それが芽生え、実り、また種ができて伝わっていく。これは、自然を深く理解した日本文化の象徴ではないかと思います。まずは、この言葉から紹介します。

 

・「人の心はガラス玉」

 5月、楽しかった五小まつりが終わったとき、仲良くなってきたこの時期に考えたい言葉でした。

ある小学生が作文を書きました。『人の心はガラス玉』です。人の心は、ガラス玉のように、一度傷つくと、元にはもどせないというのです。体の傷は、治りますが、心の傷は、元には戻らない、なぜなら、ガラス玉だからというのです。どういうことでしょうか。

 心の傷ってどんなときにつくのでしょう。それは、「言葉」による怖い力がはたらくときです。私たちは、たくさん言葉を使っていますね。人の心に、傷をつけるような、怖い「言葉」って何でしょうか。みなさん、この「言葉」は、言われたくない、絶対に嫌だという「言葉」はありますか。

 先生はあります。「死ね」とか、「うざい」とか、「きもい」とか、大切な家族のことや自分の家、名前、体のことを悪く言われたら、すごく嫌ですごく悲しいです。絶対に言われたくありません。心はガラス玉だから、その言葉一つ一つが傷になります。たくさん言われたら、ついに、ガラス玉はこわれてしまうのです。

 

・「言霊(ことだま)」

 6月には、「ことだま」の話をしました。

 みなさんは、「ことだま」という言葉を聞いたことがありますか。日本には、昔から、よい言葉には、よい行いやよい出来事が招かれて、反対に、悪い言葉、乱暴な言葉には、いやなことが宿ると言われています。この言葉の不思議な力が、「ことだま」です。

 「ありがとう」「いっしょにがんばろう」など、よいことばを使うと、自分にも、まわりにもよいことが起こるというのです。「それは、やめたほうがいよ」と教えてあげる言葉や、正直に「ごめんなさい」というあやまる言葉も言霊です。みんなで、よい言葉を使って、みんなが幸せに、仲よく生活していきましょう。

 

・「言葉の信号、青、黄、赤」

 2学期に入ると、子供たちも成長して、考える力が伸びてきました。そこで、ふとしたことから、「いじめ」につながることのないように、分かりやすい話を考えました。

 みなさん、こんなことはありませんか。ちょっとふざけたつもりで、ちょっかいを出して、友達が嫌がっていることに気づかなかったとか、無意識に強い言葉を言ってしまったとかです。例えば、リレーで自分のチームが負けたとき、かっとなって「もっと速く走れよ!」と、言ってしまって、誰かが泣いてしまったとか、あったとします。

 これは、『黄色信号』なので、注意しよう。友達の気持ちを考えて、「全力で走っていたんだね、強く言ってごめんね。」と反省し、これからの自分の行動を、もっとよく考えることができたら、人の気持ちをもっと考えられる人へと成長できます。先生たちは、そうなることを期待して、いつも見守っていきます。

 しかしです。ここからが重要なので、よく聞いてください。相手が傷つくと分かっていて、わざと、人を傷つける言葉や行動をしたら、これは、「いじめ」です。『赤信号』で、決して許されません。法律で禁止されていますから、大人でも子供でも、全ての人が守ることなのです。具体的には、かげぐちや仲間外し、ものかくしや暴力、おどしなどです。

 気を付けたいのは、誰かに命令されて、一緒にかげぐちを言えば、いじめになるということです。「あの子に言われたから。」というような、言い訳は通用しません。誰かに言われても、その人がこわくても、自分は絶対にいじめはしないという心の強さが必要です。そもそも、本当の友達は公平なのです。友達がこわいってなったら、本当の友達でしょうか。

 もう一つ、気を付けてほしいのは、「からかい」とか、「いじり」です。何人かで、誰かをからかえば、「いじめ」になります。「あの子なら、からかってもいい」というのは、公平ではありません。誰かを、わざと傷つけているから、からかいではなく、いじめなのです。

 

 この『黄色信号』と『赤信号』は、大きく違います。「ごめんね。」「いいよ。」では終わりませんから『赤信号』なのです。こうなってしまうと、校長先生、副校長先生、ここにいる全員の先生、自分の親、相手の親、関係した全員の親などたくさんの大人が出て、解決のための話し合いをします。大きなことになると警察も入るかもしれません。すごく大きなことになってしまうのです。

 

 どうしてか、分かりますか。

 

 『人の心はガラス玉』だからです。いじめた人は、軽い気持ちかもしれませんが、いじめを受けた人は、一生この傷が消えません。本当なら、明るい人生を歩ける人が、人が怖くなって、学校を辞めたり、体が病気になったりするのです。そして、もし、ガラス玉が割れてしまったら…。(大津市立中学2年生が亡くなった新聞を見せて)「あの時、勇気を出して、止めていればよかった。」このクラスの人たちは、もう何年たっても後悔が消えません。思い出してしまうのです。また、大人でも、インターネットの書き込みで、ひどい悪口を書かれて、命を落としてしまった人がいるのです。それほど、いじめは、怖いことだということを分かってください。

 では、どうしたら、いじめがなくなるのでしょうか。みんなで心をそろえて、いじめと向き合って、そうならないように気を付けていくしかありません。もし友達の『黄色信号』に気づいたら、教えてあげることができるはずです。そして、五小の皆さんなら、教えてくれた友達に感謝して、自分の行動を振り返ることができるはずです。

 これを見てください。一番良いかかわりが、この『青信号(みんな公平、協力、団結、信頼、仲間、本当の友情)』です。すごくよい言葉がたくさんありますね。こうなると、平和で安心できる、すばらしい学校になります。間違いありません。

 最後に、大切なのは、『相談』です。いじめは命の問題ですから、一生後悔しないために、どうしてよいか分からないことがあったら、先生や家族、大人に打ち明けてください。大人はそのためにいます。「チクるな」という人がいたら、それは間違っています。『相談』は、命を守る勇気ある正しい行動です。

 話し終わると、それまで静かに聞いていた子供たちから、拍手が聞こえました。保護者の皆様、いじめは、学校以外の場所でも、インターネット上でも、起こりえるものです。子供たちの人権を守るために、いじめを生まない、いじめを許さない学校づくりを推進していきます。ご心配がありましたら、小さなことでもご相談ください。

 

・「平和の大切さ―クスノキを通して―」

 私が昨年の夏、戦後80年の節目の夏に、被爆した「クスノキ」に会いに、長崎市を訪れたことを子供たちに伝えました。

 最初に、この写真(五小クスノキ)を見てください。私たちの学校のクスノキです。いつも私たちを見守ってくれていますね。今日は、この「クスノキ」の話を通して、みなさんと平和について考えたいと思います。

 この写真(長崎市:平和祈念像)を見てください。長崎市にある平和公園の平和祈念像です。横に伸ばした手は、私たちの毎日の平和なくらしを表しています。学校があって、「ただいま!」とお家に帰る、いつものくらし、お店や公園、そしてお仕事をする人たちがいます。高く上げた手は、何を指しているのでしょうか。太陽ではありません。実は、原子爆弾といって爆弾の中でも、核の力を使ったものすごく怖いものを表しています。そして、そして目をつむっているね。亡くなった人たちにお祈りをしているのです。ちょうど80年前、ここで何があったのでしょうか。

 80年前、人間は恐ろしい兵器をつくってしまいました。原子爆弾です。たった1つの爆弾が、飛行機から落とされ、高く上げた手の方向、およそ500mの上空でさく裂し、その街の全部をおよそ4000度の爆風で、一瞬にして吹き飛ばしてしまったのです。

 あれから80年が経ちました。毎年、8月9日この場所で、世界中から人々が集まって平和祈念式典が行われます。今年は、近くの小学校の5、6年生が合唱しました。曲は、「クスノキ」という歌です。近くの神社の入り口にある、樹齢500年の大きな2本のクスノキの歌です。私は、このクスノキに会いに、長崎に行ってきました。この場所に着いて驚きました。(写真:片足鳥居)この神社の鳥居は、なんと半分が爆風で吹き飛ばされて、片足になったまま、残されていたのです。

 神社の前に立ち、大きな2本のクスノキに近づいて、ハッとしました。(写真:クスノキ)幹は真ん中から大きく裂け、体中傷だらけで、治療されていました。幹の中には、あの日の爆風で吹き飛んできた真っ黒の石が、そのまま残っていたのです。クスノキは何も語りませんが、「2度と戦争はしてはいけない」と言っているように思えました。これがこの夏の「クスノキ」の話です

 五小は、「クスノキ」の縁で長崎とつながっています。だからこそ、平和な学校を作っていかなくてはいけません。だれとも仲よくして、誰かが困っていたら助け合って、みんなが笑顔で安心して過ごせる、平和の学校を作っていきましょう。

 最後に、福山雅治さんの「クスノキ」の曲を聞いて私の話は終わりました。子供たちのこころに、何かが残ってくれたら、とてもうれしいです。

 

・「やればできる、やってみよう」

 最後に、新しい年になりましたので、“明るく元気にレッツゴー!”でいきたいと思います。新しい年を迎えるにあたって、私は、「やればできる、やってみよう」という言葉を子供たちに贈りました。やればできるの「できる」というのは、「成功できる」ではなくて、「成長できる」の「できる」です。夢や目標に向かって、やったことは無駄にはなりません。そしてこの文科省の「宇宙兄弟」のポスターを見てください。みなさんも何かに挑戦する年にしましょう!目標に向かってやる気に満ちた子供たちを全力で応援していきます。私たち教職員も、五小をよりよい学校するために挑戦し続けます。

 

【講演を終えて】

 アンケートでたくさんの保護者の皆様から、温かい励ましのお言葉をいただきとても感激しております。これからも五小の子供たちのために、全力投球してまいります。来年度も開催しますので、どうぞよろしくお願いいたします。